SATA SSDとM.2 SSDについて
HHD(ハードドライブディスク)と比べ、SSD(ソリッドステートドライブ)には、読み書き速度が速い、サイズが小さい、音が静かなどのメリットがあります。ほとんどの場合、SSDのパフォーマンスはHHDよりずっと優れます。
個人的に元のHHDを新しいSSDに置き換えを検討していることもありますが。SSDの規格にはM.2とSATAがあります。また、SSDのインターフェイスの種類あるいは接続方式もパフォーマンスに影響します。
次に、SATA接続のSSDとM.2 SSDについて、ご紹介します。
SATA SSDとは
SATA(Serial Advanced Technology Attachment)インターフェースを備えたSSDです。これまでのところ、SATAインターフェイスには3つのバージョンがあります。今、人気のあるバージョンは、2009年にSerial ATA International Organization(SATA-IO)によって発表されたSATA Revision 3.0(いわゆるSATA 6Gbps)です。
SATAインターフェースは、主にAHCI(Advanced Host Controller Interface)プロトコルを使用します。SATA 6Gbpsの処理能力は6 Gb / sであり、理論的なデータ転送速度は600MB / sです。
M.2 SSDとは
M.2インターフェイスを備えたSSDです。M.2は、次世代フォームファクター(NGFF)とも呼ばれます。これは、mSATAインターフェイスに代わるUltrabook用に調整された新しい世代のインターフェイス標準です。mSATA SSDと比べて、M.2 SSDはサイズが小さく、伝送パフォーマンスが優れるというメリットがあります。
M.2インターフェースは、Bキー(ソケット2)とMキー(ソケット3)の2つのタイプがあります。Bキーインターフェイスは、SATAバス標準およびPCI-E 3.0X2バス標準をサポートでき、AHCIプロトコルまたはNVMeプロトコルをサポートする場合もあります。
Mキーインターフェイスは、PCI-E 3.0X4バス標準とNVMeプロトコルのみをサポートします。 理論的な読み取り/書き込み速度は、最大4 GB / sです。
さらに、M.2インターフェイスには、2242、2260、2280という3つのよく見られるモジュール仕様があります。最もよく使われるのは2280で、番号の22は幅を表し、番号の80は長さを表します。
M.2 SSD vs SATA SSD
SATAバス標準とPCI-Eバス標準の違い
「バス」とは、コンピューターのさまざまな機能部品(CPU、メモリ、ハードディスク、入出力デバイスなど)間で情報を送信する通信トランクで、ワイヤーで構成された伝送用ハーネスです。
バス規格には、モジュール側、ピンの位置、その他の技術仕様が規定されています。したがって、製造業者は、バスの標準と仕様に従って、チップとデバイス(ハードディスクを含む)を生産します。
SATAバス標準は、ハードディスク用の外部バス標準です。シリアル接続モードを採用しており、シンプルな構造、高速な転送速度、高い実行効率、より強力なエラー修正能力、ホットプラグのサポートというメリットがあります。
PCI-Eバス標準は、内部ローカルバス標準であり、将来、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスの代わりになるそうです。
PCI-Eバス標準では、接続されたデバイスには排他的なチャネル帯域幅が割り当てられ、他のデバイスとリソースを共有しません。主に、アクティブな電源管理、エラー報告、エンドツーエンドの信頼性の高い伝送、ホットプラグ、サービス品質(QOS)およびその他の機能をサポートしています。とりわけ、転送速度は爆速です。
読み書き速度からして、SATAバス標準と比べ、PCI-Eバス標準はもっと良いだと思われます。
また、SATAバス標準では、データ操作プロセスは次のとおりです:データは最初にハードディスクからメモリに読み込まれ、次に計算のためにCPUに抽出され、そして、計算後にメモリに書き込まれ、最後にハードディスクに保存されます。
それに対して、PCI-Eバス標準では、データはバスを介してCPUに直接接続され、ハードディスクを呼び出すためのメモリが不要になるので、PCI-Eの転送速度は最大伝送速度に近くなります。
ただし、読み取り/書き込み速度はバス標準に関連するだけでなく、AHCIやNVMeなどのデータ転送プロトコルの影響も受けます。
AHCIとNVMeの違い
AHCIでもNVMeでも、皆インターフェース仕様の一つで、データ転送の方式を決定します。また、IDEのような他のインターフェース種類もあります(これはちょっと古いインターフェース種類です)。
AHCIは、インテルによって作成された技術標準です。AHCIによって、ソフトウェアがSATAストレージデバイスと情報をやり取りできます。また、SATAストレージデバイスに、32ポートのサポート、マスター/スレーブ処理の排除、ホットプラグなどの高度なSATA機能を有効にさせることができます。
言い換えれば、AHCIプロトコルはSATAインターフェースの性能を十分に発揮します。各送信キューに32の命令を保持させ、ハードディスクキューを最適化し、NCQテクノロジーを使用してハードディスクアクセスデータを高速かつスムーズにし、ヘッドの移動に起因する時間の無駄を減らします。
ただし、従来、AHCIプロトコルがHHD用に設計されているため、SSDとの相性はそんなに良くないです。AHCIプロトコルなら、PCI-Eバスを使用しても、M.2 SSDの読み取り/書き込み速度は600 MB / sを超えることはできません。したがって、NVMeプロトコルが登場します。
NVMe(不揮発性メモリエクスプレス)プロトコルは2011年に初めて公開されました。AHCIと比較して、コマンドを与えるときにレジスタにアクセスする必要がないため、レイテンシ時間を大幅に短縮できます。
さらに、64個のキューをサポートし、各キューが64000の命令を実行できるため、IOPS能力が大幅に向上します。一言で言えば、NVMeはSSDの性能を十分に活性化できます。
まとめ
M.2 SSDがAHCIプロトコルのみをサポートする場合、読み取り/書き込みパフォーマンスはSATA SSDのパフォーマンスと同じです。 M.2 SSDがNVMeプロトコルを使用している場合、そのパフォーマンスはSATA SSDのパフォーマンスよりもはるかに優れています。
だから、BIOSのインターフェース仕様を変更することで、コンピューターのパフォーマンスを向上させることができます。
次は、チュートリアルです(例としてAHCIを取り上げます)。
ステップ1:ファームウェア(BIOS)に入ります。
ステップ2:AHCIプロトコルを変更します。
- 「Advanced/詳細設定」タブに移動し、ローカルバスIDEアダプターを「Both」に設定します。
- SATA構成をAHCIモードに設定してください。
合わせて読みたい:SSD設定と最適化のポイント(Windows 10/8/8.1/7)
ディスクのパフォーマンスを確認するしかた
実は、ハードディスクの実際のパフォーマンスを影響する要因がさまざまです。ディスクのパフォーマンスを確認するために、ここでは、無料ソフトMiniTool Partition Wizardの「ディスクベンチマーク」機能で、ご説明いたします。
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手順1:ディスクベンチマーク機能を開きます。
- MiniTool Partition Wizardをダウンロードして実行し、メインインターフェイスを呼び出します。
- ツールバーの「ディスクベンチマーク」をクリックします。
手順2:ドライブを選択し、パラメーターを設定してディスクのパフォーマンスをテストします。
- ドライブを選択:ローカルディスクまたはボリュームを選択して、パフォーマンスをテストします。その後、ローカルディスクが属する物理ディスクが一覧表示されます。
- 転送サイズ:データ転送プロセスのブロックサイズを決定します。ユーザーは1 KB〜2048 KBの値を選択できます。ただし、SSDのパフォーマンスをテストする場合は、小さい転送サイズを選択してください。
- 全長:100 MBから4096 MBの範囲です。読み書きされる合計データサイズはこれ次第です。
- キュー番号:1〜512の範囲で、ポートキューでサービスを待機できるI / O要求の数は、これ次第です。
- スレッド番号:範囲は1〜64です。通常、この値はCPUに関連します。また、コンピューターのカーネル番号とハイパースレッディングテクノロジーにも関連します。
- テストモード:選択可能なモードが三つあります。順番、ランダム、順番&ランダムです。 SSDのパフォーマンスをテストする時は、ランダムモードをお勧めです。
- クールダウンタイム:次のテストを開始する前にハードドライブの温度を下げるために使われます。
パラメータの推奨事項:
1.転送サイズを4 KB、合計長を1024 MB、キュー番号を32、スレッド番号を1、テストモードをランダムに設定します。
2.転送サイズを4 KB、合計長を1024 MB、キュー番号を256、スレッド番号を64、テストモードをランダムに設定します。
手順3:パラメータを設定したら、「開始」をクリックします。 次に、数秒待って、ディスクパフォーマンステストの結果が見えます。
テスト済みのハードドライブはSSDであるため、ランダムな書き込みおよび読み取りモードでのIOPSの値に注意してください。上記の結果には、処理能力のみが表示されるので、IOPS値を取得するには、簡単な計算を行う必要があります。計算式は次のとおりです。
- IOPS=処理能力/転送サイズ
IOPSの値が高ければ高いほど、ディスクの性能が良いそうです。
M.2 SSD買う時の注意点
M.2 SSDを買うとき、インターフェイスの種類、プロトコル、価格、およびその他の要因を検討しておくのは重要です。
メインボードがM.2 SSDをサポートしているかどうか、ソケットがモジュールサイズに適しているかどうかを確認してから、NVMeモードをサポートしているかどうかも確認してください。その後、価格と容量を検討して、選択します。
一般的に、容量が同じ場合、NVMeを使用するM.2 SSDの値段は、AHCIとSATAバスを使用するM.2 SSDのほぼ2倍ですが。NVMe接続のM.2 SSDの速度がずーとはやいです。
接続方式(製品形状)は色々あって最大転送速度の順位は、
M.2(NVMe) >>> M.2(SATA) = SATA = mSATA
M.2 SSDとSATA SSDはどちが良いか、知っていますか?答えはここにあります!Twitterでシェア
結語
M.2 SSDとSATA SSDの比較はこれで終わります。少しでもお役に立てればうれしいです。
また、この記事についてご質問がある場合、またはMiniToolソフトウェアについてご不明な点がありましたら、お気軽に[email protected]までご連絡ください。ほかの提案も歓迎です。
よくある質問
M.2 SSDはAHCIまたはNVMeインターフェース仕様をサポートできます。M.2 SSDがAHCIを使用している場合、その読み取り/書き込みパフォーマンスはSATA SSDのパフォーマンスと同じですが。NVMe(PCI-E)を使用する場合、SATA SSDよりもはるかに高速になります。