Etcherについて
Etcher(balenaEtcherとも呼ばれる)は、イメージ ファイル(ISO、IMG、ZIPなど)をUSBドライブ、SDカード、またはその他のリムーバブル ストレージ デバイスに迅速かつ安全に書き込むためのオープン ソースのクロスプラットフォーム ツールです。balenaによって開発されたこのツールは、オペレーティング システム イメージの書き込みプロセスを簡素化することを目的としており、起動可能なインストール メディア(Linuxディストリビューション、Raspberry Piシステム イメージなど)の作成に適しています。 また、Microsoft Windows、macOS、Linuxを含む複数のオペレーティング システムをサポートしています。

Etcherはほとんどの場合安定してタスクを実行できますが、たまにエラーが発生することがあります。例えば、『パーティションテーブルが見つかりません』というメッセージが表示されたり、SDカードへの書き込みができなかったりすることもあります。今回は、比較的一般的な問題であるEtcherによるUSBドライブやSDカードの破損について詳しく解説します。
EtcherがUSBドライブ/SD カードを壊した件について
多くのユーザーは、Etcherを使用してISOファイルをUSBドライブまたはSDカードに書き込むときにデバイスが破損するという問題に遭遇しています。たとえば、以下はbalenaフォーラムのユーザーからの実際の事例です。
BalenaEtcherが私の新しいUSBドライブ3台を破壊しました。Linuxディストリビューションを3台の新しいUSBドライブにフラッシュしましたが、どのドライブもまったく動作しません。Windowsはそれらを認識しません。どのファイルにもアクセスできません。助けてください。https://forums.balena.io/t/balenaetcher-destroyed-3-new-usb-drives/360608
EtcherがUSBドライブやSDカードを破損する原因はまだ不明ですが、デバイスの品質問題、書き込みプロセスの予期せぬ中断、互換性のないまたは損傷したイメージ ファイルなどが考えられます。そしてデバイスが破損した結果、USBドライブやSDカード上のデータが失われたり、デバイスがオペレーティングシステムに認識されなくなったりする可能性があります。
Etcherによって壊れたUSBドライブ/SDカードからデータを復元する
データの損失を防ぐには、EtcherによってUSBドライブまたはSDカードが破損していることに気付いた場合は、すぐにデバイスの使用を中止し、データの復元を試みる必要があります。これを行うには、MiniTool Partition Wizardを使用することをお勧めします。
これはWindows向けのディスク/パーティション管理ソフトでありながら、データ復元ツールを備えており、効果的で低コストのデータ復元ソリューションを提供します。
このソフトにより、ターゲット ドライブをスキャンして、結果からファイルをプレビューしたり、フィルタリングしたりして、必要なファイルを素早く見つけることができます。
それでは、以下の手順に従ってEtcherによって壊れたUSBドライブまたはSDカードからデータを復元しましょう。
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ステップ1:データ復元を行うUSBドライブ/SDカードをWindowsデバイスに挿入し、MiniTool Partition Wizardを実行してメインインターフェースに入ります。
ステップ2:「データ復元」ツールをクリックしてスキャン場所の選択画面に入ります。
ステップ3:ここでは、PCによって認識したすべてのストーレジデバイスが表示されるので、「デバイス」タブに切り替え、ターゲットUSBドライブにカーソルを合わせて「スキャン」をクリックします。

ステップ4:ソフトウェアはUSBドライブ内のすべてのデータ(既存、削除、紛失)の検出を開始します。スキャン中にターゲットファイルが見つかった場合は、「一時停止」または「停止」ボタンをクリックしてスキャンを中断し、すぐにファイルを保存することもできます。また、必要なファイルをすばやく見つけるには、ファイルをプレビューしたり、ファイル名で検索したりできます。

ステップ5:必要なファイルがすべて見つかったら、それらにチェックを入れ、右下隅の「保存」ボタンをクリックして、適切な保存場所を選択します。

データの復元が完了したら、Etcherによって壊れたUSBドライブ/SD カードの修復を試みることができます。
WindowsでEtcherによって壊れたUSBドライブ/SDカードを修復する方法
Windowsシステムを使っている場合は、以下の5の方法を使用して壊れたUSBドライブ/SDカードを修復することができます。
#1:USBドライブ/ SDカードの論理エラーをチェックして修復する
まず、Windowsに組み込まれているコマンド ライン ツールであるCHKDSKを使用して、ファイル システム内の論理エラー(ファイルシステムエラーや不良セクタ)をチェックし、修復することができます。
ステップ1:検索バーに「cmd」と入力し、「コマンド プロンプト」アプリを右クリックして、コンテキスト メニューから「管理者として実行」を選択します。
ステップ2:UACウィンドウで「はい」をクリックして管理者特権のコマンド プロンプト ウィンドウを開きます。
ステップ3:次のコマンドを入力してEnterキーを押します。d: をUSBドライブのドライブ文字に置き換えます。
chkdsk d: /f /r

それでもデバイスが正常に戻れない場合は、引き続き別の方法を試してください。
# 2. USBドライブ/SDカードをフォーマットする
Etcherの書き込み処理中にエラーが発生すると、ファイル アロケーション テーブルの破損、ディレクトリ構造の乱れなど、ファイル システムに論理エラーが発生する可能性があります。再フォーマットすると、新しいファイル システムが作成され、元のエラーが上書きされ、これらの論理的な問題が修正されます。
また、Etcherの書き込みに失敗すると、ストレージ デバイスに残留データが残り、デバイスの正常な使用に支障をきたす可能性があります。再フォーマットすると、これらの残留データを完全に削除し、デバイスをクリーンな状態に復元できます。
ここでは、Windowsの組み込みツールを使用して、USBドライブ/SDカードを適切なファイルシステム(FAT32/NTFS/exFAT)にフォーマットできますが。より柔軟なフォーマットオプションを提供するSDカード/USBドライブフォーマッタであるMiniTool Partition Wizardを使用することも可能です。このツールでは、FAT16、FAT32、NTFS、exFAT、およびExt2/3/4など、より多くのファイルシステムに対応します。
以下では、これら2つのツールを使用してドライブをフォーマットする方法をそれぞれ説明します。
DiskPartを使用する
ステップ1:「ファイル名を指定して実行」ダイアログ ボックスに「diskpart」と入力してEnterキーを押すことで「コマンド プロンプト」を開きます。
ステップ2:次のコマンドを順番に入力し、各コマンドの後にEnterキーを押してターゲット ドライブをフォーマットします。
- list disk
- select disk *(*はターゲットドライブが存在するディスクの番号を示します)
- list partition
- select partition *(*をフォーマットするパーティションの番号に置き換えます)
- format fs=fat32 quick(format fs=ntfs quickまたはformat fs=exfat quickと入力して、ドライブをntfsまたはexfatにフォーマットすることもできます。)
- exit

MiniTool Partition Wizardを使用する
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ステップ1:MiniTool Partition Wizardのメイン画面に入り、ディスク マップからUSBドライブ/ SDカード上のパーティションを強調表示して、左側のアクションパネルにある「パーティションフォーマット」を選択します。
ステップ2:次の画面で必要なファイル システムを選択し、クラスター サイズとパーティション ラベルを設定して、「OK」をクリックします。
ステップ3:「適用」をクリックして、フォーマット操作を実行します。

MiniTool Partition Wizardは、デバイスのフォーマットだけでなく、データ損失なしでFAT32とNTFS間で相互変換することもできます。これらの2つのファイルシステムを使っている場合は、必要に応じて変換を行うことで、より柔軟にストレージを管理できます。
# 3. 読み取り専用モードをクリアする
場合によっては、Etcherはイメージ ファイルを書き込んだ後にデバイスを読み取り専用モードにすることがあります。これにより、ユーザーはデータに対して変更や操作を行うことはできません。SDカード/USBドライブが読み取り専用モードになったことに気づいた場合は、以下の手順に従って解除してください。
ステップ1:コマンド プロンプトでDiskPartユーティリティを再度開きます。
ステップ2:次のコマンドを1つずつ入力し、各コマンドの後にEnterキーを押して、デバイスの読み取り専用モードを解除します。
- list disk
- select disk *(*はUSBドライブまたはSDカードのディスク番号を示します)
- attributes disk clear readonly

デバイスを再接続して、正常に動作するかどうかを確認します。
# 4. USBドライブ/SDカードを消去して新しいパーティションを作成する
Etcherを使用してイメージを書き込むと、デバイスの既存のパーティション テーブルが上書きされ、ストレージ デバイスが「未割り当て」または「RAW形式」になり、デバイスが使用できなくなる可能性があります。デバイスのデータを完全に消去すると、すべてのパーティションが削除され、新しいパーティションテーブルが再構築されます。
その後、デバイスを一般的なファイルシステム(FAT32、NTFS、exFATなど)に再フォーマットし、データ ストレージとして再利用できます。
以下では、DiskPartを使用してドライブのデータを消去して新しいパーティションを作成する流れをご案内します。
ステップ1:DiskPartユーティリティを再度実行します。
ステップ2:以下のコマンドを順番に入力し、各コマンドの後にEnterキーを押します。
- list disk
- select disk *(*はUSBドライブのディスク番号を示します)
- clean
- create partition primary
- format fs=fat32 quick
- exit

無料のディスク/パーティション マネージャーである MiniTool Partition Wizardを使用して、Etcherによって壊れたUSBドライブを消去し、新しいパーティションを作成することもできます。このソフトウェアは、複数の消去レベルを提供し、データを徹底に削除することで様々な論理エラーを修復できます。
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ステップ1:ディスク マップからUSBドライブを強調表示して、左側のアクション パネルにある「ディスク抹消」機能をクリックします。
ステップ2:本ソフトが提供した5つの消去レベルから適切なオプションを選択して、「OK」クリックします。

ステップ3:すると、USBドライブ上のスペースが未割り当て領域と表示されます。それを強調表示し、「パーティションの作成」をクリックして、必要に応じてファイル システム、ラベル、パーティションタイプ、ドライブ文字、クラスタサイズなどのパラメータを設定します。次に、「OK」をクリックして続行します。
ステップ4:「適用」をクリックして操作を実行します。

# 5. Etcherの代替品を使用する
Etcherは、ISOファイルを書き込む際にUSBドライブを破損する可能性があるため、多くの否定的なレビューを受けています。多くの人は、書き込みタスクを実行するために他の代替手段を使用することを選択します。 Windowsユーザーの場合は、Rufus、Ventoy、Windows Media Creation Tool、ImageUSBなどを使用できます。
一方、Linux を使用している場合は、UNetbootin、MultiBootUSB、WoeUSBを試すことができます。 macOSの場合は、USBImager、WinDiskWriter、Raspberry Pi Imagerなどが挙げられます。
Linux/MacでEtcherによって壊れたUSBドライブを修復する方法
LinuxまたはMacでEtcherによって壊れたUSBドライブを修復したい場合は、以下のガイドに従ってください。
Linuxの場合:
ステップ1:Ctrl + Alt + Tキーを同時に押して、Linuxで「ターミナル」を開きます。
ステップ2:「df」と入力してEnterキーを押すと、Linuxにマウントされているすべてのパーティションが一覧表示されます。
ステップ3:「/dev/sdb1」コマンドを実行して、USBドライブを見つけます。ここで、1をUSBディスク番号に置き換えます。
ステップ4:「sudo umount /dev/[device_name]」コマンドを実行して、USBドライブのマウントを解除します。「device_name」を実際のUSBドライブ名に置き換えます。
ステップ5:「sudo mkfs.vfat /dev/[device_name]」コマンドを実行して、USBドライブをFAT32にフォーマットします。または、NTFSまたはexFATの場合は次のコマンドを実行することもできます。
- sudo mkfs.ntfs /dev/[device_name]
- sudo mkfs.exfat /dev/[device_name]
Macの場合:
ステップ1:検索ボックスから「Finder」を開き、「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」に移動します。
ステップ2:「diskutil list」と入力し、Enterキーを押してすべてのドライブを表示します。
ステップ3:「diskutil erasDisk FAT32 UNTITLED MBRFormat /dev/diskN」と入力し、Enterキーを押してUSBドライブをFAT32にフォーマットします。ここで、NをUSBドライブのディスク番号に置き換えます。
EtcherによってUSBドライブ/SDカードが壊れた?この記事で紹介した5つの方法で修復しましょう。Twitterでシェア
結語
この記事では、EtcherがSDカード/USBドライブを壊した場合にデータを復元し、デバイスを修復する方法を紹介しています。同じ問題に遭遇した人々のご参考になれば幸いです。
MiniTool Partition Wizardの使用中に何かご不明な点やご意見がございましたら、お気軽に[email protected]までご連絡ください。